個人商店、商店街のこれから

〜ファストなのかスローなのか〜

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講師:野口智子氏

 去る2月28日(日)、ザ・ウィングス海老名にて、“海老名駅前商栄会:講習会&新年会”を開催しました。

 講習会の講師は「NPOスローライフ・ジャパン」事務局長の野口智子氏。全国各地の商店街を“時間消費型観光”によって活性化させ、人材育成などの分野で活躍中です。

 講習は和やかな雰囲気の中始まり、手書きの「スローライフ曼荼羅」という図表を見ながら、普段の生活は大量生産などの安く手軽に手に入れられるファストな生活と、手間や費用はかかるが良いものを手に入れられるというスローな生活に分けられ、スローな生活は減少傾向にあることを説明して頂きました。しかし、スローな生活スタイルは誰もが“したい”と思っていても“できない”という傾向があるという分析から、スローな生活へのニーズは今後もっと高まっていくであろうとのことでした。

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 野口氏が手がけた全国の多くの商店街活性化の事例の中から、主に和歌山県の「紀ノ川市」の事例を紹介して頂きました。ファストである大型店舗や量販店ではできない、商店街ならではのスローな取り組みによる事例を解説、紀ノ川市で現在も盛り上がりを見せている特産物である“フルーツ”をテーマにしたイベントや各店舗での活動を紹介して頂きました。中でもお寿司屋さんの作る“フルーツ寿司”はメディアでも大きく取り上げられ、多くの人々がお店に押し寄せているとのことでした。

DSCF7606「フルーツ博」というイベントが開催され、市役所敷地内で開催されるも主催は市役所ではなく、商店街や市民で作るあくまでも“手作りのイベント”して盛り上がりをみせています。 紀ノ川市の事例の特徴は、行政主体の取り組みではないということ。野口氏は行政主体ではおもしろい案は出て来ないと言う。お店や商店街とそのお客である市民が楽しんで、老若男女関わらずじっくりと一緒に取り組んでいくこのスタイルが、これからの地域の活性化には必要になってくるだろうと講演をしめて頂きました。

 講演後には新年会が開催され、野口氏との活発な意見交換が行われながらの楽しい食事会となりました。

 商店会だからこそできるスローな取り組みを考え、参加者一同の意欲がかき立てられる有意義な会となりました。

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